鰻の基礎知識|日本鰻輸入組合はうなぎ事業に関わる業者へ法律・情報提供・調査・統計を通じて貢献する活動です。

食品安全に関する基礎知識

残留農薬ポジティブリスト制

食品中に含まれる農薬等の残留基準に関する制度です。
農薬等について原則すべてが禁止されている中で、禁止されていないものを一覧表に示しています。
残留基準値が設定されていない薬品に関しては一律0.01ppm(1億分の1!)が適用され、非常に微量な基準となっています。
2003年の食品衛生法の改正で農薬・動物用医薬品・飼料添加物について同制度が導入され、2006年5月29日から施行されています。

「残留基準値」ってどうやって決めるの?
「残留基準値」
(1)無毒性量
動物実験に用いられた複数の投与量のうち、健康被害がなかった最大の量。
(2)許容一日摂取量(ADI)
通常、無毒性量に100分の1という安全係数を掛けたもの。この安全係数は動物と人間の個体差を考慮した10分の1という係数と、人間の個体差を考慮した10分の1という係数を掛け合わせている。
(3)残留基準値
さまざまな食物から化学物質を摂取することを考慮し、1日の摂取量がADIに収まるように設定されたもの。農薬及び動物用医薬品によって、あるいは食品によって基準値は違う。
(4)一律基準値
安全性データがないことから基準値を定められなかったもの。値は1キロ当たり0.01mg。
決して、残留してしまってはいけませんが、鰻に限らず残留報道に出ている値は一律基準から許容一日摂取量(ADI)の間であり、無毒性量以下の数値です。天洋食品のギョウザ事件等の値は正に異常値であり事件性があると言わざるを得ません。
輸入食品はppbレベルでの検査が行われております。
濃度の単位
  1ppm(100万分の1) 1ppb(10億分の1) 1ppt(1兆分の1)
長さ 1kmのうちの1mm 東京~下関間のうちの1mm 地球を24周するうちの1mm
時間 12日間のうちの1秒 32年間のうちの1秒 32,000年間のうちの1秒
お金 100万円のうちの1円 10億円のうちの1円 1兆円のうちの1円
重さ 1トン積みの小型トラックの中の1g 10トン積みの大型トラック100台に対して1g 10万トン積みの大型タンカー10隻に対して1g
面積 甲子園球場の中の1枚の官製ハガキ 東京渋谷区内の中の1枚の官製ハガキ 岩手県の中の1枚の官製ハガキ
容積 1m³の家庭用風呂の中の1mlの水 タテ20mヨコ50m深さ1mのプールの中の1mlの水 同プール1,000個に対する1mlの水
HACCP(ハセップ・Hazard Analysis Critical Control Point)

食品を作る工程において食品安全上の重大な危害要因を生物学的・化学的・物理的に分類・確認・評価し、これらの危害要因を意図した管理をすることで、食品の安全性を確保する衛生管理手法のひとつです。
中国・台湾の鰻加工場はほぼ取得しており、高い管理基準を誇っています。

ISO9000 シリーズ

組織によるお客様へのサービスや製品の品質などの継続的な改善を狙いとした品質マネジメントシステムで、経営者のみならず組織全員が参加するものです。
ISOは、世界レベルでの標準化推進を目的とした民間非営利団体です。同基準を取得した=世界標準であると言えます。中国の鰻加工場はほぼ取得しており、高い管理基準を誇っています。

トレーサビリティシステム(Traceability-System)

追跡可能なシステムのことです。記録帳票等をもとに『いつ、どこで、誰が、どのように生産し、どのように流通し、どのように販売されていたか』を明確に確認できるものです。
このことで、万一の事故の際にも迅速な対応が可能となります。
中国・台湾の鰻は養殖過程を含む生産から日本国内販売まで、すべてトレース可能です。

命令検査

厚生労働省が管轄する食品等の輸入時における検査であり、輸入品安全確認の最終段階です。
商品ごとに過去の違反事例などから重要度の高い農薬等を指定しています。
特に中国産鰻製品に関しては細心の検査がなされており『コンテナ毎、加工場毎、養殖場毎、サイズ等規格毎』に実施。検査に合格した商品のみが日本国内に流通します。

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